PROJECT
STORY

03

お客様の課題解決のために新しい方法を模索

遠隔車番表示システムの新規開発

PROJECT MEMBER

  • 千葉 邦浩

    産業ソリューション部
    システムエンジニア
    (現 FAソリューション部
    システムエンジニア)

  • 秋山 祐輔

    産業ソリューション部
    プログラマー


  • 馬原 龍之介

    産業ソリューション部
    プログラマー


産業ソリューション部では、通常は生コン工場向けの様々な業務パッケージシステムのほか、生コン協同組合やJA(農業協同組合)向け業務系システムの提案・開発・導入等を行っている。2019年に納入した、これまでのカスタマイズとは一線を画す大規模なプロジェクトについて詳細を聞いた。

CHAPTER

01

メインは、
パッケージシステムの保守や機能拡張

産業ソリューション部の主な業務のひとつが、生コン工場専用に作られた、品質管理・出荷管理・配車管理・販売管理システムの提供だ。「私達のチームは、主に『パワフル出荷』という生コンの出荷管理システムの運用保守に携わっています」とリーダーの千葉が言うと、その後を秋山が続けた。「システム納入時にお客様のご要望に副ってカスタマイズすることもありますが、パッケージとしての実績があるので、大きなカスタマイズはほとんどありません」実際、入社1年目はこうした運用保守業務や小規模のカスタマイズに関わりながら、プログラミングスキルを磨いている。
こうした通常業務とは180度性格の異なる新プロジェクトが始まったのは、2018年。既に『パワフル出荷』利用中の生コン工場から、たっての要望があってのことだった。「少し特殊な立地条件のお客様でした。登録されているミキサー車60台程が待機できる場所が工場内にないため、工場の近くに点在する駐車場で待機していたんです。中には工場から2km離れた駐車場もあり、タイミングがずれると工場前の道路に待機列が出来る状況でした」と秋山は言う。

CHAPTER

02

ゼロを形にするために、
これまでと異なるアプローチ

当初寄せられた要望は、ユーザー企業が既に導入していた当社の配車管理システム『大型車番表示機』を活用して、様々な場所で待機するミキサー車を工場に呼び出したいというもの。それに対して秋山はまず、各駐車場に電光掲示板を設置し、無線LANを通じて呼び出すことを考えた。「無線LAN業者に通信テストを実施してもらい、電波の問題はクリアしました。しかし、複数の駐車場に電光掲示板を設置するとなると莫大な費用が必要です。お客様の負担をもっと軽くできないかと、コストを抑える方法を模索し始めました」
そんなとき、当社の車両管理用パッケージシステムを開発している部門が、秋山にヒントをくれた。そのシステムを利用すればGPSで登録車両を追跡し、Webの地図上で各車両の現在地を確認しつつ、車両の端末を通じて適宜呼び出すことができる。秋山は、この車両管理システムと配車管理システムを連携させることにした。「10年以上この部門にいて様々なカスタマイズを行ってきましたが、既存のパッケージをクラウドに繋げるのは初めての経験でした」無論それは他の同僚にとっても同じこと。
2018年、ASP.netを使ったグループ内初の開発をスタートさせた。

CHAPTER

03

新規サービスの立ち上げと
同じ気持ちで臨む

既存パッケージと別のクラウドサービスを繋げることを決めた後、秋山は約半年かけてヒアリングを行った。「新サービスの立ち上げに近い感覚で、お客様の課題やニーズに立ち返って仕様を決めて行きました。今まで携わったなかで一番長いプロジェクトになりましたが、濃密な時間でしたね」
アサインされた当時、他の同僚はどう感じていたのだろうか。「入社後保守業務がメインのものや、小規模のカスタマイズを行う程度でした。
このプロジェクトはそうしたこれまでの業務とは流れも違いますし、言語も違います。まず、当社の他のクラウドサービスをチェックして、既存システムのどこを使えてどこを使えないのか知るところから始めました。詰まったときはすぐ、メンターの先輩をはじめ、周りに聞いて回っていましたね。うちの部門には約40人が在籍しているんですが、どの先輩も気軽にアドバイスをくれるのが本当にありがたかったです」
ところが、秋山が納入の約3ヶ月前に行ったデモは散々な結果に終わる。「お客様から“今まで何やっていたの”という言葉をいただいて、“これは何とかしなければならない”と奮い立ちました」

CHAPTER

04

グループ全員の力でやり切った、
クラウド化

納入期限まで3ヶ月を切っていた。デモ実施後にユーザー企業から出された要望は、10~20件程。何としても期限までに仕上げなくてはならない。デモの帰り道、今後の進め方を詰めるために秋山の頭はフル回転していた。「まず、追加要望の優先順位を付けて行き、開発コストがかかりそうな箇所に関してはお客様に率直に伝えて、そのコストに見合った機能かどうかをご判断いただきました」
デモから帰って来た秋山から追加要望を聞いたとき、他の同僚たちはこう感じていたという。
「その時点でさえ持て余している部分があるのに、追加要望まであって、本当にこれを私たちが完成させられるのか不安になりました。私たちがやるしかない、先が見えない戦いです。人生最大のプレッシャーでしたね」
私たちの緊張は、納入の日まで解けることはなかった。製品テスト期間には、グループメンバー全員が協力。デスクに60台のスマートフォンを並べて、通知や音声のテストをした。納期直前には、連日21時頃まで残業して修正に修正を重ねた。その甲斐あって、システムは無事期限通りに納入された。「リリース直後は実感がなくて、暫く安定稼働を確認してから、やっとホッとしました」と秋山。

FUTURE

現場に役立つサービスを生むために

「ゼロから形にする作業は本当に大変だったけれど、今思えば楽しかった。また次があっても頑張れる」そう二人は振り返る。秋山はシステム稼働後にユーザー企業から言われた「作ってもらって良かった」という言葉が忘れられない。今後は、他のパッケージも積極的にクラウド化していきたいと話す。馬原は、特定の企業向けの既存サービスを改良することでパッケージ化することに興味があると言う。いずれも、「現場にとって、本当に役立つシステムを提供したい」という、このプロジェクトで培われた想いがベースになっている。

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