時代にマッチしたコミュニケーション環境へ、
巨大企業の変革へ挑む

Project Story 01

次期コミュニケーション基盤
構築プロジェクト

Project Member

Y.K

ソリューション本部
ソリューション3部
第2グループ

K.F

ソリューション本部
ソリューション3部
第 2グループ

K.K

ソリューション本部
ソリューション3部
第 2グループ

大規模な基幹系業務システムの受託開発からパッケージ導入を始め、幅広い業務に対応し、お客様に最適なソリューションを提供するソリューション3部。
2017年にスタートした太平洋セメント株式会社におけるコミュニケーション基盤の再構築は、参加メンバーにとって初めて挑む大規模プロジェクトになった。

CHAPTER 01

もっと便利に、さらなる効率化を、
ワークスタイルの変革を目指して

太平洋セメント株式会社は日本最大のセメントメーカーである。パシフィックシステムを始め、約300社のグループ会社を擁し、売上高は8,863億円(連結)におよぶ。2017年、ソリューション本部で、あるプロジェクトがスタートした。プロジェクトリーダーを務めたY.Kが、その背景を振り返る。「太平洋セメント株式会社は、メール兼業務アプリとして、約25年間にわたりNotesを利用してきました。しかし、Notesを長年利用している中で、自宅や遠隔地で利用しにくい、検索機能に課題がある、スマートフォン/タブレットに対応しきれない、ライセンスの体系が変わりコストが嵩むなど、現状に合わず、非効率な面が生じるようになりました。そこでNotesにかわる新しいシステムを導入し、業務上のコミュニケーション基盤を再構築することで、業務の効率化を図り、テレワークを可能にするなど、ワークスタイルの変革を図るプロジェクトが発足しました」。巨大企業におけるコミュニケーション基盤の再構築。メール機能を Microsoft 365へ、業務アプリケーションを Smart DB へ移行する、一大プロジェクトの幕が上がった。Office365導入の構成検討とグループウェア製品の調査がスタート。しかし、そこには、いくつかの課題がプロジェクトメンバーを待ち受けていた。

CHAPTER 02

キーワードは“基本機能から少しずつ”
ユーザーの立場で課題を解決

「一番の課題は、Notes の利用期間が非常に長かったため、NotesのUI(User Interface)や独自機能がユーザーにとって“普通”になっていたことです。ファイル添付やリッチテキストの入力など、WEB システムではよくあるUIでも、戸惑ってしまう方が大勢いらっしゃいました。また、これまでNotesで構築・利用してきた業務アプリ(DB<データベース>)が非常に多いため、現行DBを棚卸し、移行先となるSmart DB の新アプリ開発からデータ移行まで、非常に長い期間がかかりました」とY.Kは語る。課題解決のキーワードは“基本機能から少しずつ”。「まず、業務の基本となるメール機能や簡単なアプリから、段階的に展開していくことで、ユーザーが少しずつ、新しいシステムを理解し、慣れていけるようにしました。その甲斐あって、当初はたびたび寄せられていた使い方の問合せも、今ではほとんどなくなりました。また、新システムであるSmart DBは、ソースコードの記述量を最小限に抑えられるローコード開発ツールであるため、開発する上でもNotesとは勝手が違い、初めは実装方法に悩むこともありました。しかし、設計の仕方を工夫し、Power Automateなど、他の技術と組み合わせることで、ユーザーの要望を実現できるように。一見、困難と思える要望でも、工夫して実装できたときは、大きな達成感がありました」とY.Kは微笑む。

CHAPTER 03

プロジェクトリーダーからプロジェクトマネージャーへ、
信頼関係がスムーズな移行・定着を促す

プロジェクトは8年間にわたり続き、Y.Kはプロジェクトリーダー(PL)を経て、最後の2年間はプロジェクトマネージャー(PM)を務めた。「これほど大規模な案件のPMは初めてで、プロジェクトに関する社内の部署や取引先も複数にわたるため、プロジェクト管理や関係者との調整に非常に苦労しました。段取りがうまくいかず、後手に回ってしまうこともたびたびありましたが、2年目でなんとか慣れてきました」。新しいシステムへの移行は、自分たちIT 技術者でも慣れるまで負荷がかかるもの。ITに詳しくないユーザーでは、なおさらのこと。だからこそ、ユーザー側の意見を丁寧にヒアリングし、要望や業務の理解に努めた、とY.K。「要望を反映したイメージをユーザーへ伝える際も、プロトタイプを開発してデモを行うなど、そのつどユーザーが理解しやすい方法を考えました。これが功を奏して、ユーザー側もスムーズに新システムへの移行・定着ができました。お客様と密にコミュニケーションを図り、要望をヒアリングしながら、信頼関係を築いてきたことで、無事、プロジェクトを完了できたと考えています」とY.Kは振り返る。また、プロジェクトの最終局面は、若手社員の成長を促す場となった。2022年入社のK.F、2023年入社のK.K。ふたりにとってプロジェクトは、乗り越えるべき最初の壁だったという。

CHAPTER 04

若手社員を成長させた最終局面、
それはエキスパートへ羽ばたくジャンピングボード

「私は主にNotes からSmart DBへのデータ移行作業に取り組みました。移行方法のひとつとしてPowerAutomate という自動化ツールを試すことになり、ツール自体の調査やテスト実装を行いました。初めて扱うツールでしたので、戸惑いもありましたが、上司・先輩に相談してアドバイスをいただきながら理解を深めていきました。技術面だけでなく、プログラミングに対する考え方も学ぶことが出来ました」とK.F。「私もNotes からSmart DBへのデータ移行作業に取り組みました。私の場合、Notesで設定されていた大量の選択肢を、そのままSmart DBに設定したことで、ユーザーが選択し難いうえ、実装にも余計な時間がかかってしまいました。Y.Kさんに相談したところ、ユーザーにとって必要な選択肢は、全体の一部ではないのか。まず、それを確認するようアドバイスをいただきました。ユーザーの目的を意識した設計を行う、それが基本であることを学びました」とK.K。お客様の要望をそのまま実現するのではなく、お客様の要望を満たして、さらに上の価値を実現する提案力と、それをカタチにする技術力を身につけたい、と語るK.FとK.K。実際のプロジェクトを通して確実にシステムエンジニアへの道を歩んでいる。ふたりの成長に終わりはない。

FUTURE

グループ会社への展開を目指して、新たなNEXTが始まる

「太平洋セメント社内の展開は今年度で終了しますが、次の目標はグループ会社への展開です。会社ごとに規模やシステム環境が異なるため、課題は多々ありますが、引き続き密なコミュニケーションを図り、太平洋セメントグループ全体のさらなる発展に貢献していきます。」と3人は語る。より良いコミュニケーション基盤の創出を目指して、ソリューション本部のチャレンジは、これからも続く。