PROJECT
STORY

02

10年以上使われる製品だからこそ、今ここで挑戦する

中小規模生コン工場向け計量制御システムの開発

PROJECT MEMBER

  • 井上 哲也

    テクノサポート部
    プロジェクトマネージャ

  • 大曽根 正史

    テクノサポート部
    プログラマー

  • 山本 真樹史

    テクノサポート部
    プログラマー

生コン工場の稼働に欠かすことのできない、プラント制御装置の開発からサポート業務までを担うテクノサポート部。2015年に10数年ぶりに行われた、中小規模工場向けパッケージ製品の大規模リニューアルでは、チーム一丸となって諦めずに取り組むことで難題を乗り越えた。

CHAPTER

01

求められる、
製品と技術力のダブルアップデート

テクノサポート部では、生コン工場向けのプラント制御装置を開発している。その中でも計量操作盤『PAT-8200』は、リリースから10年以上を越えてなお新規導入の絶えないロングセラー。生コン工場には、コンクリートブロック等の二次製品を造る小規模工場から、橋や大規模住宅用の生コンを提供する大規模工場まで様々な規模があるが、2015年に大幅リニューアルの対象となったのは、中小規模工場向けの製品だった。
プロジェクトリーダーを務めた井上が当時の状況を振り返る。「私は異動してきたばかり。前の部署では常に装置開発をしていましたが、テクノサポート部は製品開発から設置導入まで全工程に関わる部署です。その部署で、大曽根はUIデザインを得意とする若手プログラマーとして、山本は入社2年目ながらCADが使えてプログラミングもわかる設計者として期待されていました」
この計量操作盤のように、ソフトウェアと機械を繋いでボタン操作を行う製品パッケージは、当社の中でも数が少なく、設計ができる人間も自ずと限られる。そこで、このリニューアルプロジェクトには製品そのものの改良とともに、技術力や人的リソースのアップデートというミッションも課せられていた。

CHAPTER

02

課題解決のためには、
「社内初」をためらう余裕はない

2015年5月、井上はお客様と関わりの深いサービススタッフへのヒアリングから着手した。業務を一つひとつ確認し、現場の要望を聴き取るうちに課題が浮き彫りになって行く。配線がはんだ付けされているため、接触不良等が起きただけで大がかりな部品の交換が必要なこと。落雷を受けて工場の電源が無くなるトラブルがあること等々。
こうした課題を一挙に解決するため、井上は要件定義の段階からアプローチをガラリと変えた。まず、はんだ付けしていた配線をコネクタで接続するモジュール構造に変更し、社内で初めて組み込みLinuxを採用。オブジェクト指向を取り入れ、DLL(動的リンクライブラリ)を利用。画面メニューの構成を刷新するとともに、データファイルの構造を見直すことで処理スピードを改善。また、Windows 10 IoTを導入することで、急な停電にも対応できるように配慮した。
8月からアサインされた山本もそれに応えるように、効率の良い設計を心がけた。小型化という課題を前に、基盤の面積だけではなく高さを活用した設計をするため、部内で初めて3D CADに挑戦。CADを活用することで試作機開発にかかる費用と時間を削減しながらも、前世代モデルと比べて半分以下の小型化を実現した。

CHAPTER

03

原因不明の
トラブル解決のヒントは、「パチッ」

しかし、本当の試練は年明けに待っていた。試作機が完成し、テストを繰り返してプログラムのバグを解消して行こうという矢先だ。試作機の全てのボタンが点灯したまま反応しなくなる、そうしたトラブルが繰り返し起きるようになった。プログラミングを担当していた大曽根は、プログラムのバグを疑い何度もコードを見直した。ところが、原因となるようなものは何も見つからない。
光明が差したのは、納期まで2ヶ月余りとなった頃。試作機を触っていたときに、パチッという音がしたのだ。「これは、静電気が原因かもしれない」そう思い付いた3人は、早速アースの見直しに着手。静電気対策のための試作機を用意し、様々な実験を行った。「その頃は、毎日夜遅くまで3人で作業していました。終電だから帰ろうと言って3人で会社を出ると、フロアはもちろん、社内にも他に誰もいませんでしたね」と大曽根が懐かしむ。
そんなたゆまぬ努力が報われ、遂に静電気の起きない試作機が完成した。「3台目の試作機でようやく成功しました。想像以上に納期ギリギリになって完成したので、本当にホッとしました」と井上が屈託なく笑う。

CHAPTER

04

完成品は、
大規模工場向け製品のベースとなった

こうして2016年春にリリースされた中小規模工場向けの計量操作盤『PAT-5200/3200』は、その後開発された大規模工場向け製品のベースにもなった。「当初から将来を見据えて設計していました。また、中小規模工場向けとして導入コストや維持コストを抑えつつ、場所を取らないように、そぎ落とせるものは全てそぎ落してシンプルに開発したのが、機能追加するうえで良かったんだと思います」と井上は言う。
このプロジェクトを通じて得たものを尋ねたところ三者三様だったが、共通していたのはお互いの距離が近くなったということ。「お互いに下の名前で呼ぶようになりましたし、ちょっとしたことでいじられることが増えました」と山本が言うと、「マキシ(山本の名)会という飲み会があるんですよ。それに出させてもらっています」と井上が返す。
そこへ大曽根が少し真面目な顔で語った。「今、別のプロジェクトでリーダーを務めているんですが、あのときはよく時間を気にせずにやらせてもらえたなと思います。当時は、残業が大変としか思っていませんでしたが、リソース管理をする立場になってみて、あのとき納得行くまでやらせてもらえたのは井上のお陰だったんだと改めて実感しています」

FUTURE

もっとお客様が使いやすい製品を

今後は、計量操作盤『PAT-8200』の制御部の基本アーキテクチャの見直しも含めて、よりスケーラビリティを持たせ、保守性を高め、パッケージの標準化を進めて行きたいと3人は語る。それぞれの持ち場で各自の視点からアイデアを温めつつも、目指す方向は同じ。テクノサポート部の挑戦に終わりはない。

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